第180章 蜜月 ※
「――――ねぇ、リヴァイさん………。」
「――――なんだ。」
「私の事を愛しているなら……私を置いて、死なないで―――――………。」
「――――死なねぇよ。……お前が死ぬ時も抱いててやる。」
ナナはまた俺の胸に頭を預けて、子供のように小さく呟いた。
「――――そばに、いて……。」
「――――ああ。」
顔を上げたかと思うと、俺の顎先に唇を寄せてキスをねだる顔をする。細い指を俺の顔に寄せて、俺がそれに応じて顔を俯かせると、ちゅ、ちゅ、と何度も何度もナナは俺の唇を啄む。
「――――ナナ……、煽んなよ……またヤられたいのかお前は……。」
「うん………。」
ナナは纏っていたブランケットを取り去って、真っ白で柔く豊かな胸に俺の顔を引き寄せる。
「――――おい、正気か?お前さっきもイきすぎてトびかけてたが?」
「うん………もっと、ずっと……したい……。」
ナナが俺に敬語を使わないことが増えた。エルヴィンとの日々の名残か。
「とんだ淫乱に育ったもんだな。」
「――――だって私を抱いてる間は……リヴァイさん……どこにも、行かないでしょ……?」
「――――………。」
「――――いくらでも抱いていい。ひどくしても……壊れるまで抱いて……?……私にしたいこと、全部、して欲しい……。……そうやって……狡い私は……ずっと捕まえてるの。リヴァイさんの、こと……。」
――――いつだったか……ああ、俺がナナを兵士長補佐から外すと言った時も……同じ手段に出やがったな。
“女” という武器を使って、俺を縛り付けようと試みる……危く幼いところは、昔から変わってねぇ。……むしろ無駄にエロくなっているから余計に厄介だ……。
「――――ならお前の策に乗ってやろう。せいぜい後悔しろよ。」
昔のようにお前を諭す、綺麗に守ろうとする俺はもういない。お前がそう言うなら、言われるがまま――――、誘われるがままにつけこんでやる。