第15章 相愛
「満足、しました。」
「………悪い女だな。兵服を着てる時は、お前は兵士で俺は兵士長だ。わきまえろ。」
「じゃぁ、脱ぎます?」
ナナはジャケットを肩からおろしてはだけさせ、悪戯に笑った。
「……その手の冗談は俺には通じねえぞ。」
「!!」
俺はナナを机に押し倒した。
「わかってんだろ。煽るな。止められねぇ。」
「………それが、嬉しくて。」
みるみるうちに変化する。ビクターの一件から開きかけていたナナの中の蕾が今、匂い立つほどに開花している。
自然と距離が縮まり、また唇を重ねる。
「そういえば、リヴァイ兵士長。」
「……あ?」
「語弊、無くなっちゃいましたね。」
ナナはしたり顔で俺を見上げてふふ、と笑う。
「………意味を理解するのが、遅ぇよ………。」
「大好き………リヴァイさん…………。あなたのものになれて、嬉しい………。」
何て顔しやがる。
さっきのハンジの言葉が頭の中をよぎる。
俺はどうやら相当粗悪な抱き方をしたらしい……そこは反省すべきところだが、こいつのこの顔。この声。この言葉。
理性を保てる野郎なんているとは思えねぇ。
「………本当は、痛くないように、優しくしてやりてぇんだ………だから………煽るな。」
とても情けない顔をしていたに違いない。俺は顔を見られないように、ナナの首筋に顔を埋めて呟いた。