第177章 勲章授与式
「――――公私混同……っ……が、過ぎます……!」
「うるせぇ黙ってろ。」
「――――……!」
ぐい、と顎から頬にかけてを強く掴まれて、苛立ちと嫉妬の織り交ざった目が私を射る。
「――――やっぱり首輪で繋いで、閉じ込めるか。なぁ?」
「……い、や……です……。」
「――――お前は放っておくとすぐ他の男の匂いをつけてくる……悪い女だからな。」
リヴァイさんは掴んでいた私の顔をぐい、と横に向けて、首筋に顔を寄せた。
――――エレンを抱き締めていたから……エレンの匂いが……移ってるのかもしれない……。
言い訳はできない……。
怯えていようがなんだろうが、エレンを突き飛ばして拒否するべきだったのか。でも……あんなにも恐怖に怯えた小さな子供のような、可愛い弟みたいなエレンを……なんとか、怖いものから守ってあげたかった……。
「――――ごめん、な…さい……。」
「次同じ事があったら、その野郎の目の前でお前を犯す。」
「……………。」
「お前が俺にイかされてまくって堕ちる様を見せつけて……、誰のものなのか分からせてやらねぇとな。」
「――――そんなことしなくても……私は……リヴァイさんの――――……。」
それを言いかけた時に、廊下からパタパタと足音が聞こえた。この足音は―――――……ハンジさんだ。
リヴァイ兵士長は舌打ちをして、私の腕を放した。
「――――リヴァイ?ナナ?エレン大丈夫そうならもう解散しようと思うけど――――……。」
扉を開けてハンジさんが変わらない様子で顔を出した。
「はっ、はい!すみません、エレンの様子を……兵士長に話してたら、時間、経ってしまって……。」
「あ、その話私にも聞かせて――――……ってナナ、唇どうしたの?」
ハンジさんは自分の唇をトントン、と指した。
そして私が答える前に、ハッとした顔をしてリヴァイ兵士長の方に顔を向けた。
「――――いや待て、俺じゃねぇ。あのクソガキだ。」
「えっ?!エレンが?!ついに?!ナナに手を出したの?!」
「興奮しすぎですハンジさん……。」