第175章 思惟
「――――あの薬をお前がちゃんと毎日飲むか、見張る必要もあるしな。」
「見張らなくても飲みますよ……!」
「だめだ、信用ならねえからな。飲ませてやる。俺が、毎日口移しで。」
そう言うとひょい、と簡単に私の身体を抱えた。
「あっ!え、ちょっ……!」
「諦めろ。」
つかつかとリヴァイさんは自室に向かう。
ガチャ、と鍵を開けて私を担いだまま部屋に入った。
「――――リヴァイさ―――――……んっ………。」
当たり前に唇が塞がれる。
――――昨日からもう数えきれないほどキスをしたのに、なぜまだこんなにも心臓を圧搾されそうに苦しくなるのだろう。両手を壁に貼り付けられて、唇で熱を交換する。
――――そう言えばエルヴィンは、キスすら駆け引きだった。
私を乱しては、途中で意地悪く引いて……私がたまらずに舌を差し出すのを待つ。差し出したら最後、絡めとられて――――魂まで抜かれるような、そんなキスだ。
リヴァイさんは――――、ひたすらに、私を侵略するように攻めるキスで……。
むしろ逃げるように舌を引っ込めても、無理矢理……唇を割られて、引っ張り出されて食んで、絡めとる。
「……ふ、……ぅあ、……っ……ん……!」
私の思考を奪いながら、これもまた当たり前のように私の兵服を解いて、脱がせる。
最初に翼のエンブレムがついたジャケットを床にばさ、と投げ捨て、性急にブラウスのボタンを外しながら頬から首筋に舌を這わせる。
――――あぁもう駄目だ、これは……食べられちゃう……んだ、また……。抵抗しようと腕に力を込めていたそれを諦め、脱力するとリヴァイさんは満足げに、少し歪な笑みを向ける。