第175章 思惟
「――――お前の部屋には帰さない。」
「――――え………。」
「――――これからは俺の部屋に居ろ。執務の時以外はずっとだ。」
「な、なんでですか……だめです、私の私室をちゃんと頂いているので……。」
「なんでもクソもあるか。」
「いやだって理由が……。」
「放したくない。片時も。それが理由だ。」
あまりにストレートで、且つとんでもない我儘でしかない理由に、唖然としつつも……なぜか引力に引かれるように鼓動がうるさく鳴る。
体温が上がって、私はきっと頬を染めている。
「と、時々、調整日の前日には、伺います……。」
「時々で満足すると思うか?俺が。」
「…………。」
その三白眼が、私を見つめると……たちまち抗えないんだ。もうこれは私の習性と言っても過言ではない。
13年前から―――――もうずっと、あなたのその目には逆らえない。
「――――俺のものになる覚悟を決めたんだろう?」
「……っ……は、い………。」
「俺は言ったぞ。めちゃくちゃ抱くと。」
「毎日一緒に過ごすとは言ってません………。」
「――――そんなに嫌がるなよ………。」
リヴァイさんが顔を俯かせて、小さく呟いた。
……あまりに拒否したものだから、拗ねてしまったのかと……少し不安になってその顔を覗き込んだ。
「あの、リヴァ……。」
「――――犯したくなるだろうが。」
「!!!」
彼の顔を覗き込んだ私を待っていたのは、捕食者の目。
ぎらぎらの殺気を包み隠した妖艶な笑みをたたえて、その体を引き寄せられ、捕われる。