第173章 情炎② ※
「………また欲しくなったら言えよ。」
「……っリヴァイさんの、いやらしさに磨きがかかってます………。」
私がベッドに横たわったまま、ベッドに座るリヴァイさんに皮肉を言ってみるとリヴァイさんは振り向いて私の身体の変化について、微妙に苛立った様子で目線をこちらに流した。
「こっちのセリフだ。乳もケツも育ちやがって。」
「そう……ですか……?」
「クソエロいお前が悪い。まだ終わってねぇぞ、早く回復しろよ。」
「―――――あ。」
「なんだ。」
「そうか、わかりました……。」
「なにがだ。」
「リヴァイさんは、私の胸が育ったら困るんですね?」
「―――――は?」
私の問にリヴァイさんは、怪訝極まりない顔で目を見開いて私を見下ろす。
「そっか、胸も小さいほうがお好きなんですね、だって幼――――……」
「幼女趣味はねぇって言ってんだろうが、お前本当に抱き潰されたいらしいな?」
リヴァイさんが青筋を立てて呆れ怒りながら、私の上に覆いかぶさってくる。
「もうツインテールは似合わない歳になっちゃいましたけど、好きでいてくれますか?」
「俺の幼女趣味設定を本当にやめろ。俺は変態じゃねぇ。」
「……………。」
「――――黙るな。変態じゃねぇ………多分………。」
「………言い切れないんだ。」
「………うるせぇ、愛しい女に向ける熱情と変態は紙一重だ。」
「――――変態でもいいですよ。それを嬉しいと思う私も同類だから。」
「――――お前の言葉の運びがエルヴィンに似てて、イラッとする。」
「……それは仕方ないです。きっとこれはもう、私の人格になってるから……我慢してください。エルヴィン団長とも話せてると思えばお得じゃないですか。」
「誰がこんな情事の最中にエルヴィンを思い出したいんだ。クソが。」
「――――ふふ…っ………。」
なんでもないやりとりが、嬉しい。
ずっと一定の心と体の距離を保つ会話を探ってきたから。何も探らず、あなたの目から、表情から読み取れたことをそのまま言葉にして……私の心の内もそのまま言葉にして返す。
それだけのことが、とてもとても……愛おしい。