第173章 情炎② ※
知らない間に、眠ってた。
いや……意識を失ってたのか、どっちだろう。目が覚めたのは、ひんやりとした感触が額に、頬に、首筋に触れたから。
「――――目が覚めたか。」
目を開けて一番に目に入ったのがリヴァイさんだった時、私はなぜか泣きそうに嬉しくなる。本当は飛びつきたいけど、その頬に触れたいけど、全然体に力が入らなくて……ただ、ふ、と小さく笑むことしかできなかった。
どうやら濡らしたタオルで私の汗を拭ってくれていたみたいだ。
ぼんやりとリヴァイさんを見上げていると、瓶に入った水を小さなグラスに注いで口に含み、私に覆いかぶさった。
「…………?………ん、……。」
小さく口づけると、冷たい水が唇から喉に直接流し込まれる。もともと情事の後はとても優しかったけれど、輪をかけて慈しんで私の身体を気遣ってくれているのがわかる。
「――――今、何時ですか………まだ、夜………?」
「9時だな。飯、食いそびれたな。」
「すみません……私が寝てたから………。」
「いやいい。俺が抑えられずに無理をさせた。」
そう言うとリヴァイさんはまた水を口に含んで、私に口移した。
「……自分で、飲めますよ?」
「そうか。ならまだ足りてないってことだな?」
「えっ。」
「足腰立たないどころか、体をピクリとも動かせなくなるまで抱くつもりだが。」
「…………もう動かせそうにないので、飲ませてください……。」
「ものわかりが良くて助かる。」
怖すぎることを言うから、観念したように呟くと……リヴァイさんは私の上に覆いかぶさって、またキスしながら………とんでもなくいやらしく、唾液を口移しで私の喉奥に流し込む。
「~~~ん、ふ……っ……!」
どこまで淫靡な空気にすれば気が済むのか……まだ夜は長くて、この先を想像するとちょっと怖い。