第172章 情炎 ※
「雌猫は雌猫らしく鳴かせてやろう。なぁ、ナナ。」
「や……!だ、め、待っ……いま、すぐイっ………。」
「――――可愛いナナ。俺が愛でて育てた子猫は――――どんな風に鳴くんだ?」
抵抗も虚しく、無遠慮に後ろから、まるで本当に交尾でもしているような恰好で、また熱と質量が最奥までねじ込まれた。
「―――――ぁああぁあっ………!!!」
目の前が弾けて、トんだ。
ずっと中を指で、リヴァイさん自身で、激しく擦りあげられていたから……もう、体が全部リヴァイさんをくまなく感じようと、全神経を敏感に研ぎ澄ませてしまっていて…………
もう、これ以上の快感が、
怖いほどだ―――…………
「おい、挿れただけでトんでんじゃねぇよ。まだこれからだろうが。」
リヴァイさんの満足げな、悪戯に笑みを含んだ声が耳の近くで聞こえる。
ぎりぎりまで引き抜かれて、喪失感で切なく潤滑油を滴らせるそこに、思い切りばちん、と肉のぶつかる音を立ててねじ込んだ。
「!!ひ、ッあ!!っあ、やだぁっっ、激しっ……んッあっ……!!」
「――――たまんねぇよ、ナナ……!」
「あっ、ひっ、ぅあっぅ、んく、い、にゃ、もうっ……!」
「鳴け、もっとだ、イき狂え、俺に善がれ……!」
「いやだ、いやっ、らめ、も、イく、また、イっちゃ、リ、ヴァイさ……!見、ない……で……ぇっ……!エルヴィ……!」
――――見せられない。
見ないで、こんな淫らで卑しい姿を。
綺麗な私のまま、しまっておいてほしい、ねぇ、エルヴィン………。あなたの腕の中の私は――――どんな顔をしていた?
愛する人にそれぞれ抱かれて、私は同じ恍惚とした表情をしているのか、それとも――――……自分の知らない、それぞれにだけ見せている顔をしているのか………きっと見ないでと言っても、あなたは……私のことをじっくり観察しているんだろう。
「……やだあぁっ、―――――イ…っ……あ……―――。」
思考と視界が真っ白になってビクン、ビクンと痙攣を起こす。
リヴァイさんの熱い指が背中をつつつ、と撫で上げるだけで………つられた快感がまた何度も押し寄せて、頭に到達するたびに小さく何度も達した。