• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第171章 感応





「―――いい度胸だ。」



ナナの身体からシャツをはぎとる。

首に残る、俺が噛み潰した傷跡を守るための包帯も当て布も邪魔だ。乱暴に包帯を解いてそれを取り去ると、その傷跡は赤黒く鬱血して、その周りは紫と青のまだら状態だ。

そこに犬歯が食い込んだ穴がくっきりと、開いている。

ざわ、と総毛立った。





――――こんなにも傷を負わせたのか。





あんなに………傷付けたくない、守りたいとぬかしていたくせに。感情に駆られたからと言い訳を並べて――――……



そうだ、あの時ナナが俺を抱き止めなければ、俺はナナを………殺していたかもしれない。



そしてまた、同じ事をするのか?

俺は………。








エルヴィンは最後の特攻をかける直前―――――俺に言った。











『リヴァイ。――――ナナを、頼む。』










あの独占欲の塊のような男が、嫉妬深く腹黒い、ナナを骨の髄まで愛していたあの野郎が。



―――――俺にナナを頼むと。



この世で最も信頼している男2人から託されたんだ。



応えないわけにいかない。







俺はナナを守り育て導くとワーナーに、

獣の巨人を殺すこと、そしてナナと共に生きることをエルヴィンに、



誓った。








――――はずだった。







/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp