第171章 感応
「俺を愛しているなら、応えろ。」
「……っ待って……お願い……、リヴァイ、さ……。」
俯いて戸惑う、煮え切らないナナに対して渦巻く胸の内の苛立ちと自分への嫌悪感。
だがもう、ナナの体温と吐息を感じてしまった。
その淫靡な表情を見てしまった。
「――――お前が嫌がろうと、泣き叫ぼうと……抱く。―――お前を助けに来る奴は、どうせもういない。」
「――――…っ………ぁ…!」
ナナをベッドに強引に押し倒して、覆いかぶさる。
あぁまただ。
――――怯えている。
怖いものを見るように目を開いて、呼吸を荒げて……俺からなんとか逃げようと、背を向けて足掻く。
その肩を強く掴んで引き寄せ、体を開かせてベッドに押し付けて――――、ナナが怯んだ瞬間に、そのシャツを暴く。
傷付けたくないと、優しく愛したいと言いながら……怯えるお前の顔がたまらなく可愛く見える俺は、やっぱりどうかしている。
――――そうだ、俺はナナを想像して抜く時はいつも……こんな風に想像してたな。
――――嫌がるナナを押さえつけて、犯す。
そんなことに興奮するようなどうしようも無いクソだ、俺は。
期待通りにナナは震えながら、泣きながら、俺から目を背ける。
唇を噛みながら、ナナは小さく、呟いた。
「――――性欲の発散、なら……どうぞ、お好きに………。」
「―――あ?」
「私が……、助けを求めた、対価を……体で払えと、いう、ことなら………、拒む権利は、ないです……。」
「――――………。」
「……好きに、して、ください……。」
――――俺を見ない。
ただ人形みたいに、体を差し出す。
心はエルヴィンのものだ、とでも言うのか。
――――それでもいい。本人がいいと言ってんだ、抱いてしまえばいい。
何年我慢した?
どれほど求めた?
そのナナが、好きにしろと言ってる。
好都合だ。
鳴かせてやる。
わけがわからなくなって、俺を求めるようになるまで。