• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第168章 緒





「――――いや、私が悪い。――――四六時中一緒に、いたからさ………。」

「――――!」



その一言でわかる。モブリットさんに指示するように、していたんだ……。



「もう少しちゃんと具体的に、話さなきゃね?」

「――――………いいえ。ぜひこのままで。」

「へ?ナナ?」

「モブリットさんが副官になられる前は、ハンジさんの最も近くにいたのは私だと自負があります。モブリットさんにできたことは、私にもできます……、いえ、やってみせます……!」



めらめらとよくわからない対抗意識が沸いて来て、ハンジさんに力強い眼差しで訴えてみる。

ハンジさんは目を丸くしてから――――……いつものように、大きく口を開けて、大笑いした。







「あはははっ!!!頼もしい!!!そんで、何に対抗してんのさ?!」





「――――モブリットさんが、見てると思って。」





「――――………。」





「『ハンジ団長の側にはナナさんがいるから、大丈夫だな』って、思ってもらえるように……頑張ります。」








ハンジさんは一瞬目元を手で覆って、嬉しそうに、少し……泣きそうに、俯いた。







「――――……あぁもう、ナナ……。」





「はい、鼻血用のティッシュならここに。」





「…………。」
「…………。」









2人で目を見合わせて、大きな声で、笑う。



―――――久しぶりだ。

こんなに笑えたのは。



大丈夫。

きっとまた越えていける。





―――――これもまたエルヴィンの言う“変化”だ。

変化するから、強くなれる。

変化するから、繋いで行ける。

それが………その想いの連鎖が、“永遠”なのかもしれないと頭に浮かべながら、




とても晴れやかな気持ちで、私はまた山になった書類の整理を始めた。




/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp