第167章 Love Letter
“Nothing is permanent except change.”
「――――変化こそが唯一の、永遠……。」
『その気持ちは永遠か?愛とは、永遠なのか?』
ふと、胸元の片翼のネックレスに触れる。
これを贈られたとき、私はリヴァイさんを愛していて、リヴァイさんのものであることはこれからも変わるはずがないと主張した。
それに対してエルヴィンは、まるで“おもしろい”と言うように、その言葉を選んだ。
『……実に不確実なものだと思わないか?私は何度も見てきたよ。人の気持ちが変わるところを。』
―――――人の気持ちは、変わる。
変わった。
………でなければ、こんなにもあなたのことを一冊の本の中に、部屋の片隅に置かれた枕に、ただのワインの空き瓶に………探し求めるはずがない。
――――でもそうだ、変わらないものもあった。
リヴァイさんへの気持ちは……どうやっても、なかったことには、できなくて。
形を変えては歪になって、傷付けて、傷ついて……今また確かな名前をつけられないまま、でも確かにそこに特別ななにかが存在している。
それはきっと私だけじゃない、さっきのリヴァイさんの行動を、言葉をひとつひとつ思い返してみても……この関係性を続ける気はおそらくなくて……、もしかしたら、いつものようにまた流されて、私はしっかり自分の意志を持てないまま――――……
リヴァイさんの放つ引力に飲み込まれてしまうんじゃないかと、自分を信じられないまま――――……
きゅ、とその手紙を持つ手に力が入った。