• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第167章 Love Letter




――――――――――――――――――――


なかなか減ってくれないスープをなんとか食べ進める。

リヴァイ兵士長は自分が食べ終わった後も、急かすでもなく……無理に食べさせるわけでもなく、ただ私の向かいに座って何かを考えているようだった。

時折チラッと私の方を見る、その顔は……兵士長じゃない、リヴァイさんの顔だ。



あと少しで、ほぼ食べ終わる……ふっと息を吐くと、込み上げる嫌悪感。





「……う………。」



「――――大丈夫か。」



「……は、い……。」





口元を押さえて俯いて何とか、せっかく食べたものをちゃんと吸収して、と身体に言い聞かせる。

分かってるんだ、いつまでも食べることを怖がっていたら、治る病気も治らないって。いつまでも誰かにこうやって……側にいてもらうことなんてできないんだから。



私の頭の中に、賑やかだったあの日々が蘇る。



リンファがいて、サッシュさんがいて……ミケさんやナナバさん、ゲルガーさん……ペトラ、オルオ……エルドさんに、グンタ……、エミリー、ナターシャ……ゾーイ、みんなで食卓を囲んで食べる食事が、こんなに美味しいんだって調査兵団に来て初めて知った。

1人、また1人と……いなくなって……、私だけが生きるために、食べることが……辛い。





「――――よく食った。」





呆れてるかな、そんなことすら律せない、弱い私に……。しゅんと俯くと、リヴァイ兵士長は小さく言葉をかけてくれた。



/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp