第167章 Love Letter
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なかなか減ってくれないスープをなんとか食べ進める。
リヴァイ兵士長は自分が食べ終わった後も、急かすでもなく……無理に食べさせるわけでもなく、ただ私の向かいに座って何かを考えているようだった。
時折チラッと私の方を見る、その顔は……兵士長じゃない、リヴァイさんの顔だ。
あと少しで、ほぼ食べ終わる……ふっと息を吐くと、込み上げる嫌悪感。
「……う………。」
「――――大丈夫か。」
「……は、い……。」
口元を押さえて俯いて何とか、せっかく食べたものをちゃんと吸収して、と身体に言い聞かせる。
分かってるんだ、いつまでも食べることを怖がっていたら、治る病気も治らないって。いつまでも誰かにこうやって……側にいてもらうことなんてできないんだから。
私の頭の中に、賑やかだったあの日々が蘇る。
リンファがいて、サッシュさんがいて……ミケさんやナナバさん、ゲルガーさん……ペトラ、オルオ……エルドさんに、グンタ……、エミリー、ナターシャ……ゾーイ、みんなで食卓を囲んで食べる食事が、こんなに美味しいんだって調査兵団に来て初めて知った。
1人、また1人と……いなくなって……、私だけが生きるために、食べることが……辛い。
「――――よく食った。」
呆れてるかな、そんなことすら律せない、弱い私に……。しゅんと俯くと、リヴァイ兵士長は小さく言葉をかけてくれた。