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【進撃の巨人】片翼のきみと

第165章 明暗




――――また、何度エレンが巨人化するところを見ても不思議だったその秘密も書かれていた。

なぜ何もないところから骨が、血が、筋肉が出現して巨人を形作ることができるのか。

その物質はどこから来るのか。



それはすべてのユミルの民を繋ぐ道のようなもの。



そこを通って巨人を形成するものは送られてくる。



だから一緒に記憶や……意志も共有されることがあるのだと。ダミアンさんをはじめとした旧王制幹部が言っていた “記憶の改竄” それも、その理由ならば合点がいく。








そのすべてのユミルの民の“道”が交わる座標こそが、 “始祖の巨人” なんだ。








だから始祖の巨人の力を使えば………すべてのユミルの民へ、 “道” を通じて――――嘘の歴史を刷り込むことができる。





「――――こんな、夢みたいなことが……。」



「ね、私も――――……未だ信じられない。けれどエレンが無垢の巨人を操ったことがある例からも……きわめて信憑性が高いと言えるだろうね。」






そして……更に手記に目を落として……私は目を疑った。手記にもエレンの書き出した記憶の中にも記載されていた内容に。





「――――九つの巨人の力を継承した者は……13年で……死ぬ………?」



「――――そう、 “ユミルの呪い” らしいね……。」



「じゃあ……エレンは…………あと……8年………アルミンはあと……13年……。」



「……………。」





なんで……なんであの子達ばかりこんな辛い目に遭うんだろうと、運命を呪う。けれどそれを口には出さない。

――――アルミンを巨人化させたリヴァイ兵士長だって、どこかやりきれない思いを抱えているはずだから。


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