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【進撃の巨人】片翼のきみと

第165章 明暗





「――――ナナ、大丈夫か。」



「…………えっ、あ………。」





私があまりに黙り込んだからだろう、リヴァイ兵士長が腕を組んだまま声をかけてくれた。





「はい、すみません……あの……。」



「なんだ。」



「――――私とエルヴィン団長の想像した“外の世界”とほとんど……大差なくて……驚いています……。ただ、もちろんその……ユミルの民や……マーレという国、9つの巨人の話などは初見なのですが。文明という面においては……想像、通りでした……。」



「――――そうか。」



「そこまで近しい想像をしてたんだ。さすがだね、エルヴィンもナナも……。」



「――――エルヴィン団長が証明したかった仮説は………正しかった。真実――――だった………。」





震える声で呟いた私を、2人はとても優しく、でも切なそうに見守ってくれていた。

私は感極まって――――……手に持っていたイェーガー先生の手記をぎゅっと胸に抱いて、泣いた。







「―――エルヴィンに、花と共に真実を添えてあげられる……。」







――――今そんなことを話している場合じゃないのも分かってて……、もっとこの先のこととか、私の外の世界の知識が少しでも役立つことだってあるかもしれなくて。

でも一刻も早く教えてあげたい。

彼が生きる上で追い続けたその仮説は決して間違っていなかったと。






「そうだね。ちょうど今日の納骨の時に、報告してやってくれると……私も嬉しい。」





「はい……!」





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