第14章 疎通 ※
「………頼むから、聞き分けろ………。お前が……大事だ。」
ナナを囲む腕に力を込めて呟くと、シーツの中からナナが少しだけ顔をだした。
「あの時の………答えを教えてください………。」
壁外調査前にナナが問うた、俺にとってナナはなんなのか、ということを言っているのだろう。
「……………。」
いや、確かに帰って来たら言うとは言ったが、一つのベッドに半裸でいるこの状況で言えるわけがねぇ。
俺の理性が辛うじて残っているのは、兵士長と部下であるという事実のおかげだ。
それがなくなり、もし男と女の関係をこいつも望んでいるとしたら。
俺は抑える自信がねぇ。
それでなくても壁外調査の後は興奮状態が続いているからか、欲望が増しやすい。
滅茶苦茶にこいつを抱いてしまう。
「えっ、嘘ですか………?!」
「いや………。ただ、兵舎に帰ってからにしねぇか、この話は。」
「なぜですか………?」
「…………寝ろ。明日は朝早く発つぞ。」
ナナの頭を無理矢理シーツの中に押し戻すと、ナナが反撃してきた。
「そうやって………いつもリヴァイさんは………っ!」
ナナは涙目で俺の上に覆いかぶさってきた。シーツははだけ、下着のみの状態で。
勘弁してくれ。
「………やめとけ。」
「やめません……!」
苛立ちと少しの威嚇を込めた眼でナナを見ると、一瞬ナナは怯んだようにみえた。