• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第159章 地下室





「どうして……僕なんですか?――――誰がどう考えたって……エルヴィン団長を生き返らせるべきじゃないですか?!」




注射器の使用の決定権は兵長にある。

僕は兵長に詰め寄った。





「兵長?!どうして僕に打ったんですか?!」



「――――ちっ……。」





兵長は心底面倒だという顔をして舌打ちをしながら、エレンを軽く蹴った。





「ありのまま話せと言っただろうがエレン。――――アルミン、お前のこの仲良し二人が、エルヴィンに打とうとした俺に抵抗し刃傷沙汰に及ぶほど――――……お前を生かすことを強く抗議した。」



「――――え……?」



「……お、俺達はどんな処罰も受けます……!」





目線と肩を落とすエレンとミカサに、ハンジ分隊長は厳しい言葉をかけた。





「当然兵規違反の罰は受けてもらうが、罰さえ受ければ何をしてもいいのかい?」



「………いいえ。」





エレンとミカサが激しく抵抗したのはどうやら事実らしい。上官の―――――兵士長の判断に背き、ミカサに至っては力を行使したことはもちろん罰するべきことだ……。

でも、いくら2人が抵抗したからといって……兵長はなぜ……。

その疑問に答えるように、兵長が口を開いた。





「――――だがな。最終的にお前を選んだのは俺だ。いや……俺の私情でエルヴィンの死に場所をここに決めちまったんだ。」





――――兵長の私情?

それはなんだ……兵長と団長にしかわからない、何か……?



例えば……ナナさんのことも関係しているのか……?

だとしても、僕には納得ができない。


/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp