第159章 地下室
3人が立体機動で飛び立ったのを見届けて、補給された物資を使って重傷者の手当をした。
しばらく呆然としていたハンジが、口を開いた。
――――よくやく、次を考えることができるようになったようだ。
「――――シガンシナ区内門のリフトがまだ生きているか確認しよう。簡易的にリフトを組める物資も持って来てくれたけど……いかんせん、組み立てる人員も労力も私たちには残ってない。――――動ける人間で手分けして、付近の生存者確認を強化、ついでにリフト確認をする。」
「俺、行けます!」
「俺も。――――サシャに水と……なんか食わせてやりてぇし……ついでに探してきます。」
「――――俺も、大丈夫です。行きます。」
「……私も……。」
ガキ共はタフだな………伊達に地獄を見て来たわけじゃないということか。ほどなくして、エレンもミカサもジャンもコニーも、壁の下に降りた。
「――――リフトが生きてたら……。」
ガキ共がいなくなって、ハンジがぽつりと言葉を漏らした。
「――――荷馬車で……エルヴィンを連れて帰れる……。」
「――――ああ………。」
「――――せめて、せめて会わせてあげなきゃ……ナナに……。」
「――――………。」
「――――ねぇリヴァイ、ナナは、泣くかな……。」
「――――どうだろうな。」