第158章 ウォール・マリア最終奪還作戦⑤
「――――痛い?痛いだろうね。いくら巨人の治癒能力があっても………痛みがなくなるわけじゃない。知ってるよ。―――――散々無垢な巨人たちで……実験して、拷問して、殺してきたんだから。」
更に反対の腕を落として―――――、のたうち回るライナーの脚も、落とす。
頑丈な子だからな……リヴァイなら、一度に綺麗に切断できるんだろうけど。何度も刃を突き立て、その度に血を浴びる私は―――――悪魔さながらだろう。
最期の脚を切断し終えた頃には、ライナーは声も発さなくなっていた。
下手に動けないように、目隠しをしておく。
いくつか聞きたいことがある。
それを尋問した後―――――今度こそ、その命を絶つ。
「さて……ライナー。この左胸に入ってた鉄のケースは何だい?君が手足を切り落とされる前……最後の力で取り出そうとしたものだぞ。自決用の薬?それとも爆弾か?」
「………てがみ………。」
断末魔のような叫び声を上げて掠れた声で、ライナーは答えた。
「手紙?何の手紙?」
「ユミルの……手紙だ。クリスタに必ず……渡してほしい………。」
「………中身を改めてからね。」
何か情報を引き出せるか。
引き出してから、ここで殺す。
再び刃を抜く。
刀身が抜けるその音で、ライナーは察したはずだ。
自分の行末を。
「さて………聞きたいことは山ほどある……んだけど、君の口も鎧のように堅そうに見える。君は……私達が知りたいことを教えてくれるかな?」
―――――ライナーは口角を上げて、笑った。
「いいや。」
「……ありがとう。覚悟ができてて助かるよ。」
ライナーの首に刃を当てて、両手で渾身の力で断頭を試みる。
首から血が噴き出た瞬間、ジャンが声を上げた。