第158章 ウォール・マリア最終奪還作戦⑤
「全然親父と似てないな……。」
「………なに………?!」
父さんを知ってる……?!なんだ、誰だ、こいつは………!
「信じてほしい。俺はお前の理解者だ。俺達はあの父親の被害者……お前は父親に洗脳されている。」
なぜかその男に、父さんの面影が重なって見える。
「……父……さん?!」
その時、男の目線が壁上へ向けられて恐怖に引きつった顔をした。
見上げるとそこには―――――血まみれの、リヴァイ兵長の姿があった。
「おい……?!ウソだろ?!ここまで追って来やがった……!………化け物め……!」
リヴァイ兵長のことが怖いのか。
兵長が壁からこちら側に降りて来た瞬間、奴らは俺達に背を向けた。
「ああ……わかったよリヴァイ。痛み分けで手を打とう。……ベルトルト。悪いがお前は……ここまでらしい。」
なぜかその男が俺に向ける目は敵対や憎悪ではなかった。
「……エレン、いつかお前を救い出してやるからな。」
「……は……?!逃げた?!」
奴らはすぐに――――姿を消した。