第158章 ウォール・マリア最終奪還作戦⑤
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―――――アルミンの変わり果てた姿を見て、俺は崩れ落ちた。
「……こうなることは分かってたはずなのに………でも……お前の力に頼るしかなくて……こいつを捕らえることができたのも全部、お前のお手柄だよ……。お前は……どうして、逃げないんだよ………。」
――――いつもお前に頼ってばかりで、俺は………何一つ、自分じゃ成し遂げられない。もう見られないのか?あの夢に目を輝かせるお前の姿を。
――――アルミン………。
焼けただれて誰かも判別できない程のその身体に、触れることすら躊躇う。
なんて、痛々しい。
―――――その時、少し離れたところに、ドォン!!と大きな物音を聞いた。
――――何かが降って来た……?
そこには、新たな敵が――――こちらを見ていた。
「巨人……?!」
その四足歩行の巨人は俊敏な動きで俺達の方に距離を詰める。
「ッ―――――クソッ!!」
ベルトルトを奪われるわけにはいかない。
奪われるくらいならここで、ベルトルトだけでも殺しておく。
ベルトルトの首に刃を突き立てて、その四足歩行の巨人と対峙する。
――――その背には、両腕を削がれた―――――……目元に巨人化の後がある男が、乗っていた。
こいつが……獣の巨人か?!
「それ以上近づいてみろ!!こいつを奪われるくらいなら……殺すからよ。」
――――その男は、なぜか俺をとても驚いた顔で見つめて――――……想定外の言葉を放った。
「お前が……エレン・イェーガーか?」
――――ダメか……!ベルトルトだけでも殺す……!!
そう、ベルトルトの首に刃を食い込ませて血が噴いた時にその男が零した言葉に、耳を疑った。