第157章 ウォール・マリア最終奪還作戦④
―――――――――――――――――――
もう11体目……だった気がする。
数えてる暇もねぇが。
巨人を削いで、兵長の方に目をやった瞬間、獣の巨人がまるで何の歯も立たず、細切れにされて地に伏したのを見た。
「―――――やった………!!」
さすがだ、有言実行とはこのことだ……!俺も負けてはいられない、まだあと残っているこいつらデカブツを、可能な限り討伐する。
「――――リンファ、ナナ……見てろよ………!」
一瞬の願掛けのように、胸ポケットに入れたリンファとナナから預かった髪飾りを確かめるように、心臓を捧げる敬礼をした。
次の標的にアンカーを刺し、ワイヤーを巻き取り項に向かって接近する。
……その時、四足歩行の巨人がこちらに駆けてくるのを見た。
口に何か……いや、誰か……咥えている……。
四足歩行の巨人に咥えられたそいつは、どうやら食われたわけではなさそうだ。兵長から、この四足歩行が救出したってことか……?
だとしたらこいつが―――――獣の中の奴か?!
項に辿り着いて、一撃でまたその急所を削いだその瞬間――――――
「お前ら!!!あいつを殺せ!!!」
獣の中にいたのであろうそいつが、大声を張り上げた。
その瞬間、今まで何の反応もせずに突っ立っていた巨人共が、グルン、と首を―――――兵長のいる方向に向けた。