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【進撃の巨人】片翼のきみと

第155章 ウォール・マリア最終奪還作戦②




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――――こうなることを想像しなかったわけじゃない。



相手は未知で――――いつだって我々に不利な状況で戦うことになる。だが――――……せめて、ナナとの約束の一端を果たさねば……死んでも死にきれない。



ここまで屍を積み上げて、自分を仲間を騙しながらようやく―――――ここまで来た。

その求め続けた答えに……今全てを投げ出して、地下室に向かえば――――……例え死ぬとしても、その一瞬に今までの全ては報われる。





そしてそれが……いつかナナに届けばいい。








「――――俺が今までやってこれたのも……いつかこの日が来ると思っていたからだ。いつか……答えに辿り着くことができるはずだと。何度も……死んだ方が楽だと思った。それでも……父との夢が頭にチラつくんだ。そして今、手を伸ばせば届く所に答えがある。」







――――赦されないのはわかっているんだ。

ここまで来て団長の任を放棄して――――人類の命運を握る舵を投げ捨てて――――……自分の夢を証明するために動くなど。



でも、諦められない。

そうだ。

俺が真実を手にする瞬間を――――ナナも、待っている。







「……すぐそこに……あるんだ。」





「――――………。」





「……だが、リヴァイ。見えるか?俺達の仲間が………。」







――――ああ、夜でもないのに彼らが訪ねてきた。




――――俺の愚行を許さないつもりだ。









「仲間達は俺らを見ている。捧げた心臓がどうなったか知りたいんだ。まだ戦いは終わってないからな。」









――――ナナをここに、連れて来なくて良かった。






ナナがここにいたらきっと――――……俺はナナの手を引いて、ここにいる生き残った兵士達も見殺して、心臓を捧げて死んで行った彼らのことも掻き消して――――……







エレンの実家の地下室に、駆けていただろう。






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