第154章 ウォール・マリア最終奪還作戦
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区内外の建物を捜索しても、一向に見つからない。ライナーも、ベルトルトも。
――――なぜ穴を塞がれても出て来ない?
エレンが外門を塞いだところは、どこからか必ず見ていたはずだ。
エレンが疲弊したところを狙いたいはずだ。
だからきっとこの内門の近辺にいるはずなのに――――……。
僕に何ができる?
力のない僕は頭を回すしかない。
団長が僕を信じてくれたのに……こんなにも見つからないのはまずい。
どうする?
失敗したら……もう本当に後が無い。
何もかも終わりだ。
団長は作戦を止めないだろう。
敵に絶好の機会を与えることになっても迎え撃つしかないんだ。
なぜ僕らはいつも不利なのか?そう、壁外調査の時も……エレンを奪い返すあの時も……それは………僕らが巨人のことを、知らないからだ。
「!!!!」
――――――――そうか、そうだ。
僕は音響弾を撃った。
「アルレルト!!見つけたのか?!」
「敵はどこだ?!」
「まだです!!全員で壁を調べてください!!――――壁の中を!!!」
僕の言葉に、そこに集まった全員が呆気にとられた顔をした。
「壁の中?!」
「はい!!きっと人が長い間入っていられる空間がどこかにあるはずです!」
「なぜそれがわかる?!」
――――――なぜ?なぜと問われても根拠はない。
ただそう、僕がライナーなら……ベルトルトなら……調査兵団を、人類を……本気で潰そうと思うなら……そこが一番だと思うからだ。