第154章 ウォール・マリア最終奪還作戦
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シガンシナ区の内門が見えて来た。
なんとか日が昇りきる前に到達できた。予定通りだ。
「日が昇って来たぞ!!物陰に潜む巨人に警戒せよ!!!これより作戦を開始する!!総員立体機動に移れ!!!」
馬で内門まで駆け抜け、そこから立体機動に移る。
フードを眼深く被った100名の兵士が、一気に外門を立体機動でまばらに目指す。敵は我々が外門を塞ぎに来ると読んでいるはずだ。
100名の中からどれがエレンか見つけ出したその時はすでに、エレンは外門を塞いだ後だ。
立体機動で壁上に上がってすぐ、アルレルトが何かを察知した。その間にも、外門の周りに見張りの兵が配置に着いた。
――――妙だな、襲撃どころか巨人の一体も見当たらない。
アルレルトは敵の野営の後を確認した。すぐにそれを調べに行かせると並行して、エレンによる壁を塞ぐ作戦も実行に移す。
エレンは見事にやってのけた。
すぐに作戦成功の信煙弾が放たれた。
「―――襲ってこない、か……。」
「団長!!調べて来ました!!」
壁の下で野営具の調査をしてきたアルレルトが戻って来た。
「地面には野営具一式が散乱しています。紅茶のようなものを飲んでいたようです。ポットは冷め切っていました。そしてポットの中身の黒い液体が注がれた跡があるカップ……それが少なくとも3つ。少なくとも3人が壁の上にいたようです。」
「鉄製のポットが冷め切っていたのか?」
「はい。」
「それはおかしい……。」
「ええ。」
我々は馬と立体機動を駆使して全速力でここに到達した。
ここから我々の接近に音や目視で気付いたのなら少なくとも2分前が限度のはず。
使用直後のポットが2分で冷めるはずはない。