第152章 可惜夜
「あははっ!」
「あ?なにが可笑しい、ナナ。」
「――――だって………。素直に分隊長昇格おめでとうって、言えばいいのに。」
「――――………。」
「え………。」
私の言葉に、リヴァイ兵士長もサッシュさんも目を開いて私を見た。そしてサッシュさんはゆっくりとリヴァイ兵士長の方へ目線を戻す。
「――――兵長……?マジすか?」
リヴァイ兵士長は面倒臭そうにサッシュさんから目線を逸らして、舌打ちをした。
「――――ちっ……そんなんじゃねぇ……。俺が面倒見なきゃいけねぇ割合を減らすためにも、お前には存分に働いてもらう。」
「――――『期待してる』そうですよ。」
「………おいナナ…、なにを適当なことを……。」
「――――兵長!!俺……いつか兵長に並べるように、もっと……もっと強くなりますから!!」
サッシュさんが感極まるように、嬉しそうな顔をする。
そしてまたリヴァイ兵士長は面倒臭そうに腕を組んで顔を背けた。
……照れてる。
可愛い。
そうこうしていると、なにやら中央の辺りが騒がしい。
背伸びをして様子を見ると、どうやらエレンとジャンが喧嘩を始めたらしい。
「あらあら……。」
「――――ちっ、ガキどもが……。」
リヴァイ兵士長はとても不機嫌そうに眉を顰めて、仲裁のためにその場を去った。