第150章 恵愛 ※
―――――――――――――――――――
なんだっけ。
いつからこうして身体を重ねてる?
明るかったはずの窓の外がもう暗い。
今何時で、もう何回目だろう?私は――――何度果てたのか、もう、わからない。
お互いため込んでいた欲が爆発したように貪り合い、交わって――――ようやく少し、理性というものを思い出した。
「――――お腹が減っただろう?ナナ。何か食べに行くか?」
「――――ううん。」
「いらないのか?」
「……私は大丈夫……。エルヴィンがお腹空いてたら……ついて行くよ………?」
「――――俺の空腹は、君にしか満たせない。」
「――――んっ………。」
エルヴィンはまた私に口付ける。
私の膝を開いて、どろどろに溢れたそこにまた反り返った自身を当てがい、今度は優しくゆっくり―――――私の中に、埋めていく。
「ぅ、あ………。また……。」
「――――君のせいだよ。」
じゅぶじゅぶと結合部から色んな粘液があふれ出しながら、獣じみたセックスを繰り返す。このまま死ぬなら、それもいいかもしれないと、ぼんやりと思考がままならない頭で思う。
ふとエルヴィンの左手を取って、自分の首に宛がった。
「………エルヴィン……もう一つの約束は……破らないでね……?」
「――――ああ。共に生きて共に死ぬ。――――君が死ぬ時は、俺の腕の中だろう?」
エルヴィンが少しだけ私の首に宛がった手に、力を込めた。
――――あぁすごい。
血液の脳への循環が遮断されて、もっともっと何も考えられなくなる。このまま腕の中で死んでも、いいかもしれない。
「――――さすがにこれは、ハードすぎるな。だが……本当にその日がいつか来るなら―――――俺がこうして殺してあげる。」
「……う、ん………。」
「俺を受け入れながら、俺の手で息の根を止めてあげるよ。―――――誰にも触らせない。」
そう言ってエルヴィンは手を放した。
その瞬間無意識に大きく息を吸った私は――――、生きたいんだと、体も心も生きる気でいるんだと実感する。