第149章 縁
「――――ありがとう、頂くね。元気になれそう!」
ふふ、と笑うと、サシャは嬉しそうに口角を上げた。
「――――ナナさんがついにサシャまで手なずけ始めた……!」
「恐ろしいな、さすが人類最強………!!」
「――――ナナ、飯今からか?」
エレンが少し遠くの席から、私を呼んだ。
「そうなの。」
「――――こっち来いよ、一緒に食べよう。」
「うん!」
笑顔で答えて歩みよると、今度はエレンの近くにいたマルロさんとフロックさんがエレンに突っかかり始めた。
「なんで団長補佐のナナさんにタメ口聞いてんだよエレン?!ちゃんとしろよちゃんと!!いくらナナさんが優しくても、上官にその口の利き方はないだろう?!」
「そ、そうだ……しかも、呼び捨てってお前……何様だよ!!」
マルロさんとフロックさんが口々にエレンに物申すけれど、エレンは心底面倒臭そうな顔で目線を他所へ投げながら言った。
「うるせぇな、いいだろ別に。」
「――――ナナはエレンの家族だから。」
多くを語らない姿勢だったエレンの横から、ミカサが口を出した。“家族”を強調したのは、ミカサの小さな抵抗と意地だ。ミカサのそんなところが、可愛い。
「は?!家族?!」
「説明しろエレン!!」
「はぁ………余計面倒なことになったじゃねぇかミカサ。お前説明しろよ。」
「……いいけど。」