第148章 其々 ※
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――――ナナは敏感なところを攻めるとすぐに達する。
簡単すぎて――――可愛いなと、思う。
ナナの肌は甘くて、温かくて、柔らかくて………いい匂いがして、こうして抱いているといくらでも無尽蔵にその綺麗な身体を汚したい欲が湧いてくる。
――――けれど、いくら病の進行がゆるやかだとしても、その体を蝕んでいることには違いない。わずかでも、負担をかけないにこしたことはない。それはあの日、久しぶりに体を重ねて痛感した。
――――俺は、ナナのことに関しては箍が外れてしまえば止められない。大人の余裕も、慈しむ心も全て凌駕されて、ただ彼女を永遠にこの腕に留めてその身体を俺で満たす、そんな事ばかり考えてしまう。
――――だから自らを戒めるように、ナナと共に眠るけれど抱かない。そんな拷問めいた日々を楽しむように……努力している。
ナナは今日もイッた後、気付けばすぐに寝息を立てている。あどけない少女のような顔で。
「――――思ったより拷問だな、これは………。」
ナナが重傷を負って言葉を失った時にも、同じようにして欲に耐える日々は送っていたが――――、あの時と違うのは、ナナの表情だ。
息を荒げて俺を見るその目は、明らかに欲情しているそれで――――、受け入れる気なんだとわかる。いやむしろ、交わりたいとすら思っているんじゃないかと思う淫靡な顔をする。
―――――それに耐えるのは至難の業だ。