第148章 其々 ※
「――――やだ…っ………も…、ぅ………!」
「――――イって。ナナ。ほら。」
「――――っひゃ……うっ…………!」
体が勝手にびくんと跳ねて――――、体温が上がって、息も弾む。複雑な思考ができなくなって、ぼんやりと頭が痺れて来て――――最近毎日、このまま眠りに落ちてしまう。
――――そう、エルヴィンはそれ以上、なにもしない。
「――――おやすみ、ナナ。」
はふはふと息を急く私の頬に口付けて、私を抱いて眠る。
ハンジさんはきっとそれ以上の……交わりをしているんだとご想像されているみたいだったけど……実は本当に抱き枕にされていて……こうやって、悪戯の果てに無理矢理絶頂させられてしまう……。
久しぶりに体を重ねたあの日以来、こうやって一緒にベッドで眠るけれど……体を交えることはしない。
エルヴィンの体調でも悪いのかと心配したのだけれど、どうやらそうでもないみたいだ。きっと―――――ただ私の身体に負担になることはせずにおこうと思っているんだろう。
本当は、すごく……したい。
でも、エルヴィンの気遣いを無下にはできないし――――、きっとハンジさんが言ったとおり、とっても我慢しているに違いないから……。
逞しい胸も、腕も……ふわりと香る大好きなその香水の香りも、高い体温も息遣いも――――……体を繋げなくてもこうして、触れ合っているから大丈夫、大丈夫、と……沸き起こる情欲を抑え込んでいる。
――――そんな淫らな女だってことが、どうかバレませんように………。