第148章 其々 ※
「ねぇナナ、これってもしかしてさ、自動巨人伐採装置とか作れないかな……?!」
「自動伐採……?」
「うん、人間が囮になれる檻のようなものを硬質化で作ってさ?!巨人が侵入しようとしたところを上からドン!!みたいな!」
「なるほど……確かにです。できそうですね!」
「すごい!!すごいよエレン……!!ここまで出来るのなら、夢が膨らむね……!」
「そう、ですか……良かったです。」
休憩中のエレンの顔色が、先ほどよりも悪い。やっぱり1度巨人化や硬質化をするたびに相当の体力が必要なんだ。
エレンに水を手渡して、横になって休むように促す。興奮冷めやらぬハンジさんがぶつぶつとあらゆる構想を練る中、寝転んで眩しい太陽から目を覆うように腕で顔を隠してしまったエレンに語り掛けた。
「ねぇエレン。」
「ん………?」
「――――海、見に行けるかなぁ……。」
私が空を仰いで呟くと、エレンは少し黙った。
「――――…………。」
「もう少しな気がするんだけど。まだ遠いのかな。おばあちゃんになるまでには行ってみたいね。行こうね、いつか一緒に。」
焦らなくて、急がなくていいんだと気持ちを込めて冗談めかして言う。
「――――すぐだ。きっと。決着をつければ――――もう、すぐそこだ。」
「――――うん………。」
その決着には、どれほどの血が流れることになるのか。
それを想像できないわけじゃないのに、その先を願うのは――――罪深いことなのだろうかと……小さく胸を締め付ける自問に自答もできないまま、また、空を見上げた。