第147章 同憂
「私の心配より、ご自身の心配をされてください。あ、そうだ。これからお風呂一緒にどうですか?」
にっこりと微笑んで誘ってみても、珍しくハンジさんが渋る。新しい情報や技術、物に触れて、今どれだけ彼女が好奇心と責任感に突き動かされているのかはわかるけど。
「えぇ……お風呂よりもやることが……。」
「背中流して差し上げますよ?ね?入りましょう?」
「う――――……。」
まだ渋るハンジさんに、甘えた目線を送ってみる。
「………ハンジさんとゆっくり積もる話もしたいです。裸の付き合いってやつ、してみたい。」
「……なんかエロいな……。」
「えっ。」
「わかります分隊長……。」
「えっ。」
何かよくわからないところで2人が意気投合してしまった。けれど、なんとかハンジさんは数日ぶりにお風呂に入ることを了承してくれたので良かった。
私たちは連れ立って、浴場に向かった。
「はぁ~~~~~、生き返る!」
決して広くはない浴場にも、もう遅いからか今は私達しかいない。4~5名が浸かれるくらいの浴槽は、2人ならなおのこと広く感じる。
「ふふ、ほら、やっぱり入って良かったじゃないですか。」
「あぁそうだね。それに……ナナに『身体を労われ』って散々言いながら、私が倒れたら説得力ないもんね?」
「そうですよ。」
あまりにしっかり浸かり過ぎて体温が上がり過ぎるのも少し警戒しなきゃ、と思いながら浴槽の淵に腰かけ、タオルで胸元を隠してふう、と息を吐く。