第13章 戦友
「ニナ、エルド、オリバー、2体を仕留めろ!!!奇行種は………俺とアルルでやる!!」
「はいっ!!!」
二手に別れて、馬を走らせる。
「アルル、奇行種の気を引け!俺が仕留める!!!!」
「は、はいっ!!!」
奇行種の前を横切るように馬を走らせ、奴の視界にわざと入っていく。
あまり足は速くない。
これなら――――――そう思ったその時、奇行種は両手を地面についた。
「なっ……?!」
奇行種は獣のように四足で駆けだし、先ほどとは比べ物にならない速さで私を追って来る。
「まずいっ………!」
「このっ………気持ちわりぃんだよっ!!!!」
ロキ班長が、奇行種の後ろ脚の腱に斬撃を放つ。
的確なその攻撃は、一瞬奇行種の足を止めた。
奇行種は振り返り、ロキ班長を狙う。
「くそっ………!」