第146章 食欲 ※
「サシャ、紅茶飲む?」
「紅茶?あまり飲んだことがないですが、毒物以外なら何でも飲みますし食べます!!」
「……もうちょっと口に入れるものは選んだほうがいいよ?」
面白いなぁと思いながら、小さく笑みを零して紅茶を淹れる。そして……リヴァイさんにもらったお菓子を少し開けてサシャの前に紅茶と共に置いた。
「ちょっとだけどね。どうぞ?」
サシャは目を輝かせてまじまじと紅茶とお菓子を凝視して、私の顔を見上げた。
「??」
「――――女神……っ……?!」
「え。」
「やっぱり本当に女神でした!!そりゃもう団長も兵長も骨抜きになって当然―――――……。」
昂奮のあまり言いかけて、流石にマズいとでも思ったのか、気まずそうにサシャは口を噤んだ。
そっか、やっぱりそんな噂に……でもまぁ気にしない。
「ふふ。」
「………?」
サシャは恐る恐る顔を上げる。
「怒ってないよ、私が団長も兵士長も愛しているのは、事実だから。」
「――――悪女?!」
「あはは!そうかもしれない。」
私が大きく笑うと、なんだかサシャは少し安心したような顔をして――――、初めて少し、心を開いてくれたような気がした。
「では、いただきます……!」
「どうぞ?一緒にお茶できて、嬉しい。」
それからほんの僅かな時間だけれど、サシャと色んな話をした。食べ物の話、今までの104期のメンバーとの思い出。
そして――――故郷の事を聞くと、サシャは色々と教えてくれた。