• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第13章 戦友




「………夜営設営班も動き出したな。私は班に戻るよ。アルル、無茶、するなよ。」

「うん………、リンファさん、生きて、帰ろうね………!」



リンファさんは、いつもの涼し気な目元に少しの不安を浮かばせたまま、少しだけ笑った。




その笑顔が、私が最後に見たリンファさんの姿だった。




身体はところどころ痛むものの、荷馬車に横たわる人たちに比べれば私の怪我など軽いものだった。

私は両手で頬をパンッと叩いて気合いを入れると、荷馬車を降りてロキ隊長の元へ急いだ。



「ロキ班長!!」

「アルル!お前、手負いだろうが。」

「問題ありません!!多少の痛みはありますが、十分動けます!班に戻らせてください!」

「………だが………随分激しく地面に叩き付けられただろう。大事を取ったほうが……。」




「アルル。」





「!!」




ロキ班長の向こうから、リヴァイ兵士長の声がした。



「は!」

「班に戻るからには、足を引っ張るな。普段通りの動きができるのか?」

「問題ありません!」



私の返答に、リヴァイ兵士長は静かに頷いた。



「ロキ、アルルを班に戻せ。」

「……は!」

「ここで夜を明かすことになる。ロキ班は設営警護だろう。配置につけ。」



リヴァイ兵士長が去ろうとしたその時、私は思わずリヴァイ兵士長を呼び止めた。




「………リヴァイ兵士長。」

「なんだ。」

「ご無事で………。あなたの帰りを、私の大切な友人が待っています。」

「………誰に言ってる。俺よりも、てめぇの心配をしろ。」

「………はいっ!!」

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp