第13章 戦友
「アルル?!何する気だ!!!!」
「戻ってアルル!!!」
「バカ野郎!!!!!」
私が2体の気さえ引けば、その間に彼らが騎乗できれば……!
私は必死だった。
2体の巨人の間をすり抜ける。
「来い……!私に、付いてこい!!」
2体の巨人は、想定通り私のほうに向きを変え、私の後を付いて来た。
「よしっ………!」
ここから、どうしよう……、徐々に、距離を詰められている気がする。馬も、いつまでも全力で走れるわけじゃない。
このまま捕まって食われるぐらいなら……!私は馬上から戦闘態勢に入ることを決めた。
まさか、初めての戦闘で2体を相手にするとは思わなかったな。
私に向かって手を伸ばして来た、小さいほうの1体のその手を切りつける。
怯んだところを、後ろに回り込んで背中にアンカーを刺す。
いつかのリヴァイ兵士長の言葉を思い出した。
『お前は体重が軽い分、そのままでも他の奴らよりガスの使用量は少ない。あまり押さえ過ぎず、移動速度を上げろ。』
私はガスをいっぱいにふかして、速度を上げて項を目指す。その項を目がけてブレードを振るうが、的確に削ぎ落とすことができない。模型とはわけが違う。複雑に動く対象の一部を削ぎ落とすのは、至難の業だ。
「やっぱ……一回じゃ、無理だ……よねっ…………!」
態勢を変えて再び狙おうとした時、もう一体の巨人が私の身体を掴もうと手を伸ばしてくる。
「!!!!」
慌ててガスをふかしてその手から逃れようとするが、遅かった。捕まれこそしなかったものの、その手に弾かれて吹き飛ばされた。
「うあっ………!」