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【進撃の巨人】片翼のきみと

第141章 覚悟




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平地に配した固定砲は元より効果はないだろうと踏んでいた。壁上固定砲から直接項を狙う方法は多少なりとも影響を与えられるのではないかと儚い期待をしていたが――――、どうにもあの巨体の項にまで砲弾が届いてくれそうにない。

――――これは調査兵団の力を駆使しての、接近戦でいくしかないだろう。

ライナーやベルトルトのように知性をもって、最も脆い城壁の中でも門に狙いを定めるなど小細工はせずに、突っ込んでいく気だ。

………だとしたらあの壁を破壊するのは困難だ。

かなりの強度がある。

ならロッド・レイス巨人はあの巨体を生かして乗り越えようとする。

両手を壁上にかける。





「巨人化したエレンに、目標の喉奥に大量の爆薬を放り込んでもらい項ごと吹き飛ばす。火薬を体内にさえ入れてしまえば、あの高温だ。自ずと発火し爆発する。……まずその為には、喉奥に火薬を投げ込める状況を作らねばならない。――――壁上に両手をかけたところで、その両手を吹き飛ばせば体勢は崩せる。そしておそらく、目標は顔を大地で削りながらここまで進んでいる。つまり“開く口”すら無いかもしれない。これが今回の賭けだ。」



「………エルヴィン団長。目標は超大型よりもさらに巨大です。壁に手をかけ上体を起こしてしまえば、壁上から例えエレンを持ってしても口元まで届かない可能性があります。」



「アルミン、その通りだ。――――なので、壁に両手をかけ、上体を起こし乗り越えようと体重をかけた時―――――両手首を爆破し、体勢を崩す。」



「………!なるほど……!」



「ここから見る限りでも、目標の手足は細くアンバランスだ。爆破で破壊できる可能性が高い。体勢を崩した時に―――――、エレン、君の出番だ。」



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