第141章 覚悟
私の心は比較的穏やかだった。
一時ほど体調も悪くはない。どうやら私の体力の低下がみられると、症状が悪化するみたいだ。
リヴァイさんが気にかけてくれたように、ちゃんと食べて……自分が自分のために今できることをちゃんとやる。
……じゃないと、彼らは私を側に置いてくれない。
「……確認ですが、人にうつる病気では……。」
気がかりだったそれを問う。
もし、皆にうつしてしまう可能性があるのなら……私は愛する彼らのところに還らない。
誰とも触れ合わずに、ひっそりと、死を迎えよう。
「ないな。今までの症例と同じ病とするのなら、という仮定の話だ。確実にという保証はないが。」
「……そうですか……!良かった……。」
「……検査後だ。さすがに今日は入院させる。お前は全くじっとしていないからな。動き回るなら明日からだ。いいな?」
「ふふ………はい。」
私はボルツマンさんの言い方と不機嫌にしかめられた顔を見て、ふふっと笑ってしまった。
「……何がおかしい?」
「……いえ………私の事をとても過保護に心配しすぎてくれる人に、似てるなぁと思って………。」
「お前が無茶ばかりするからだ。近くにいて、お前の事をよく見ていれば……自ずとこうなる。」
「………嬉しい。」
「………では、今日はゆっくり休め。後で様子を見に来させる。」
私がなおも小さく笑うから、ボルツマンさんはため息を残して、私の病室を去った。