第139章 苦闘
「―――――敵数35!!!手前の柱の天井辺りに固まっている!!作戦続行!!!すべての敵を!!ここで叩く!!!」
リヴァイ兵長の指示についで、敵の指示も飛ぶ。
「総員散開!!複数で1人ずつ囲め!!」
その声を聞いて、俺は煙に紛れて兵長の後を追う。
入り乱れるように飛び交う敵と味方。
それでもわかるんだよ。
――――お前が努力の積み重ねで得たその無駄のない流れるような軌道は。
「――――アーチ!!!」
案の定、リヴァイ兵長の背後から銃口を向けようとしているアーチの背に、切りかかった。
だがとんでもねぇ反射速度で身体を捻って避け、俺の刃はアーチの頬を少し掠った。
弟の血が、刃の先から空中に飛ぶ。
その先で――――アーチと、目が合った。
「――――っ………アーチ!!!もう……引けねぇぞ……!!」
「――――やっぱり来たか、兄貴。」
「決着――――つけようぜ。」
お互い少しの距離をとった。
――――一対一で視界が悪いこの中じゃ、不利なのはお前だアーチ。と、思ったが――――、アーチは迷うことなく俺の方にアンカーを射出した。
――――馬鹿野郎、こっちに移動してくる間に――――背後をとって、終わりだ。アーチのアンカーが凄い勢いで巻き取られてアーチがこっちに迫って来る。俺は天井付近の上方にアンカーを打ち、アーチの射程圏内から脱するように移動し、その背後に詰めるべく天井を蹴って軌道を変える。
その時。アーチはまだ移動中にも関わらず、アンカーを抜いた。
「な?!」