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【進撃の巨人】片翼のきみと

第139章 苦闘




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「――――広大な空間で、立体機動装置が使いやすい。且つ敵はこちらのざっと6倍以上の数。いかに翻弄し、攪乱するかが重要だと思います。まず――――、煙幕で相手の視界を奪いましょう。煙に身を隠す。そしてもう一つ、ストヘス区で対人用立体機動装置を見て――――、その大きな弱点が二つあります。一つは、2発の銃弾を撃ってしまえば次の装填に時間がかかるということ。そして、もう一つは銃口とアンカー射出機が同じ方向を向いていること。移動時の背後は――――がら空きです。」




礼拝堂で作戦を練る。

アルミンはまるでエルヴィン団長がそこにいるかのように、迷いなくその案を出していく。こんなに頼りになる奴だったか。アルミンの案を聞いた兵長が、筋書きと役割を言い渡す。





「―――煙幕を最初に投げ込む。サシャ、そのガスに火矢で引火させろ。アルミンとサシャは入り口付近からの援護。――――俺とミカサが切り込む。そして――――恐らく奴らは、兵数が多い間に俺の息の根を止めたいはずだ。俺の背後をとろうと近づいて来た奴から殺る。俺の後ろから少し間を置いて、サッシュ、お前が来い。」



「はい。」





確かにアーチはおそらく中央憲兵の中でもトップクラスの実力だ。リヴァイ兵長を狙う精鋭として配置される可能性が高い。――――絶対に殺させない。





「サッシュの後にハンジ、コニー、ジャンが続け。」





『了解。』






最小限の作戦会議と指示で、俺達はいよいよ礼拝堂から地下へ続く扉を蹴破った。予定通りガス管を括りつけた樽を転がし、サシャが火矢で引火させると―――――、ガスは爆ぜ、その中に入っていた油をまき散らし、炎は一気に広がった。

それに伴った煙が充満し始める。



リヴァイ兵長とミカサが飛び出し、それを援護するように信煙弾でさらに視界を塞ぐ。


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