第137章 革命
「…………へぇ……。仲間を見殺しにして無駄に生き延びるか。そりゃまた……絆の深ぇことで……。」
「まぁな。調査兵団の命には優先順位ってもんがある。それを承知の馬鹿どもの集まりが俺らだ。――――そして、質問に答えないなら仕方ない。」
髭面の右腕を背後にねじり上げて―――――、本来曲がらない方向へと力づくで曲げる。バキッと鈍い音がして、大げさに叫び声をあげた。
「ぎゃあぁあああぁぁ!!」
「うるせぇよ。エレンとクリスタの居場所を言え。」
「し、知らない!!本当にほとんどのことは教えられていないんだ!ケニー・アッカーマンはとても用心深い!!!」
「……アッカーマン……?それがケニー……奴の姓か?」
「………そうだが……?」
――――初めて知った。
ケニーの姓を。
そして………なぜミカサと同じ姓なのか……今は考える時間も、ねぇが……。
「まぁ確かに……奴は教えねぇよな。大事な事は特に……。しかし心当たりくらいあるだろ?思い出すまで頑張ろうか。まだ骨は何本もあることだしな。」
俺が迫ると――――、その目は、まるで化け物でも見るような怯えた目だ。
……こんな目ばっかりだった。
昔から――――俺に向けられる目は。
「―――あんたはまともじゃない……。」
「――――かもな。」
そんなことは知っている。
俺はまともじゃない。
この手を血に塗れさせてもなにも感じない。
それが本来の俺だ。
――――だからできることがある。
なのに心のどこかに刺さった棘のような、小さな痛みを感じた気がした。