第137章 革命
――――中央憲兵と言えど、油断しきった夜間に飛び道具を持った連中に襲われて、ただで済むわけがない。
俺とミカサ、ジャンとコニーとサシャで奇襲をかけ、全員が戦闘にあたれないように足を潰して無力化した。
――――やはり中央憲兵の根城にもエレンとヒストリアの姿はなかった。その中でもリーダー格と思われる髭面の男を引きずって連れ出し、エレンとヒストリアの居場所を吐かせる。
肝心なことは問うても吐かねぇのに、揺動目的かいらねぇことをべらべらとよく喋る。
その口につま先をねじ込んで顔面を蹴り上げる。
満月に照らされて青白く光を弾きながら風に揺れる草に鮮血が飛んだ。
「――――まともに喋れるうちに口を使った方がいいぞ。エレンとクリスタはどこだ?」
喋れるようにその口を解放してやっても、また下らねぇ虚勢を張るばかりだ。
「―――ッ無駄なんだよ!!お前らが……何をやったって……!調査兵、お前らにできることは……この壁の中を逃げ回って!せいぜい泥クソにまみれて生き延びることだけだ!!―――もう捕まったよ、団長もな。調査兵団最高責任者――――エルヴィン・スミスを吊るすための処刑台ももう組み上がってるだろうよ!!!そしてお前ら全員が……仲間もろとも……道連れだ!!」
「…………。」
「――――ただし、リヴァイ。お前が出頭して責任を負って首を括れば――――仲間の命は助かるぞ?……俺が口をきいてやろう。そうすりゃ上手く行く。」
「いや遠慮しておこう。お前はエレンとクリスタの居場所を言え。」
―――なにを下らねぇ駆け引きで懐柔しようとしてやがるのか。応じるわけがねぇだろうそんなもんに。
そもそも王政はこの機に俺達を完全に潰すつもりだ。俺の首一つで満足するとは思えねぇ。俺の即答の拒否に、想定外とでも言うようにその髭面は目を泳がせた。