第137章 革命
「――――リヴァイ兵士長。……あなた達が間違っているとは思えません。本当に……調査兵団がリーブス商会を……民間人を殺したのですか?!」
「……会長らを殺したのは中央憲兵だが、何が事実かを決めるのはこの戦に勝った奴だ。」
「俺に協力させてください!この世界の不正を正す事ができるのなら俺はなんだってやります!!!中央憲兵を探る任務なら俺にやらせてください!!変装なんかよりずっと確実なはずです!!」
「……何だお前は。駄目だ。お前に体制を敵に回す覚悟があるかなんて俺には計れない。お前の今の気持ちが本当だとしても、寝て起きたら忘れちまうかもしれねぇしな。」
「……そんなことは……。」
「……行くぞ。サシャ、2人をこの辺に拘束しろ。」
「はい!」
「――――兵長。俺にやらせてください。」
静かに俺を呼んだのは――――、ジャンだ。
ストヘス区では、人を殺すことに躊躇ったことで俺達を危険に晒しやがった。
――――覚悟が未熟だ。
だがそれで何かを学んだのだろう。何か考えがあっての言動だとわかる。
――――ジャンは、サッシュに似ている。実力は申し分ないが直情的で――――単純だ。考えも覚悟も総じて甘い。だが今、必死に考えながら変わろうとしている。
「………任せる。」
俺は静かに許可をする言葉を述べた。
――――結局ジャンは上手くやった。
マルロが俺達を欺く気はなく、本心から俺達への協力を志願していることを証明した。
マルロの言う通り、スパイとして送り込んだマルロはすぐに中央憲兵の根城を掴んで情報を寄越してきた。
――――俺達はここで奇襲をかけ、中央憲兵にエレンやヒストリアの居場所を吐かせることにする。
―――――決行は夜。
不気味なほどの大きな満月の光を頼りに、風がその草原の草を揺らしていく音しかしない静寂の中、俺達は慎重にポツンと佇む古びた屋敷を取り囲んだ。