第137章 革命
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俺達を捕らえようと追って来る憲兵団を捕まえ、憲兵団に潜り込んでエレンとヒストリアの居場所について情報を得る……成功する確率も高いとは言えねぇが、さっそく俺達を追ってきたのであろう2名の憲兵団兵士を捕らえた。
こいつらも104期らしい。
マルロとヒッチ……ストヘス区の所属だ。こいつらが着ていた兵服をアルミンとミカサが纏う。その一角獣を背中に配して、ストヘス区に再度潜入させ――――情報を探る。マルロとヒッチは拘束しているが、俺らが発つときには拘束を解く。どのみちなんの装備も馬もない。反撃には出られない。――――ビビりまくりで一言も発さないかと思いきや、ヒッチが口を開いた。
「あっ……あなた達のせいでストヘス区の住民が100人以上も死んだのを知ってますか…?!」
「―――あ?」
「おいヒッチ……!」
「あなた達は……自分が正義の味方でもやってるつもりなのかもしれませんが……あの街の被害者やその家族は突然地獄に突き落とされたんですよ?」
「ああ……知ってる。」
「……同じ憲兵の……アニだって……あの日以来まだ見つかってないのは……!巨人にグチャグチャにされて見分けがつかなくなったからでしょ?!」
「いいや。潜伏してた巨人の正体がアニ・レオンハートだったからだ。奴は今捕らえられてる。末端の新兵まで知っていいことじゃねぇがな。」
俺の言葉に、マルロもヒッチも絶望を貼りつけたような顔をした。
「まったく……嫌になるよな。この世界のことを何も知らねぇのは俺らもみんな同じだ。この壁の中心にいる奴以外はな……。」
より絶望の色を濃く、なにかを決心したかのような険しい目を向けてマルロが俺を見上げた。