第137章 革命
「どうして親父は殺されたんだ?!お前ら中央憲兵によって?!」
あれは――――リーブス商会んとこのバカ息子だ。泣き喚くバカ息子に、容赦なく銃口を向けるのは中央憲兵だ。
「は?そんなこと聞いてどうする?俺達はお前の死体に用があるだけなんだよ。」
「し、死ぬ前に知りたいんだ!親父は何をしてこんな目に遭ったのかを!頼むから教えてくれ……!」
「ん?知らなかったのか?奴は俺らを裏切って、なぜか調査兵団側に付いた。」
「う、裏切ったって…?!調査兵団から人を攫うように中央憲兵が依頼したのか?!」
「そうだが……何も教えてもらえなかったんだな……ボンクラ息子はなーんにも。……まったく下請けを雇うのは楽だが使えん。結局余計に手間どっちまった。バカは親譲りだなぁ?リーブスは家族だけ連れて北にでも逃げてりゃ良かったんだ。従業員やこの街に固執してなきゃなあ……。」
「――――知った風な口をききやがって……!」
ずっと喚いていたバカ息子が、男の顔になりやがった。
やり返すか?親父の無念を晴らすために……そう、固唾を飲んで見守っていた。
「親父は俺に教えてくれたよ。商人は人を見る目が大事だってな。だから俺は人を選んだ。親父が信頼した人たちを俺は選んだ……!」
「……どうしたんだフレーゲル?!最期は豚らしくピーピー泣けよ!!!!」
「お前らはもう用済みだ!!!上を見ろ!!間抜け!!!」
――――上?と目線を上げた時にはもう、中央憲兵の奴らの背後に降り立った2人の手練れの兵士が―――――あっという間に3人中2人の中央憲兵をなぎ倒した。
思わず銃口を向けようとした残りの1人に向かって、まるで銃口に怯むことなくその間合いを詰めて自らの肩、頭すれすれで発砲されるも―――――腰を引くことなく、前のめりに殴り倒した。
見事、としか言えないほどの、目にもとまらぬ制圧だ。