第137章 革命
「いっ……てぇぇぇええええ!!!」
「分隊長!!ワイルドすぎます!!!」
大の男を殴り飛ばした女を、部下らしき男が部隊長、と呼んだ。
「やったぞ!!!聞いたかみんな?!」
――――あれは、調査兵団のハンジ分隊長か……?!
やっぱり諦めてなかった。
――――全く、リヴァイ兵長といい、このハンジ分隊長といい、ナナといい、調査兵団はやっぱり変人の集まりだと、そう思う。
けど情が深く、人を惹きつけて放さない人間ばかりだ。
ハンジ分隊長の声掛けに応じるように、廃墟と思われたボロボロの建物のあちこちから住民が現れた。
いいように情報操作されていたが――――、自分達を守ろうとしてくれていた商会のボスを守っていたのは他でもない調査兵団だったのだと――――、多くの住民がその目で、耳で、理解した。
俺は鳥肌がたった。
――――もうひと押し。
もうひと押し、王政の汚れきった部分を露呈すれば―――――、風向きは変わる。
ナナは、それを俺に託したんだ。
「――――ハンジ分隊長!!」
「ん……?君は……?」
「情報屋のジルと言います。リヴァイ兵長にはいつもご贔屓にして頂いていて。――――今の俺の雇い主は――――、ナナです。」
「――――……。」
ハンジ分隊長は驚いた表情を一瞬見せたあと、部下の男と目を合わせてから、俺が信じるに値するかどうかの判断を迷っている。