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【進撃の巨人】片翼のきみと

第132章 仲合




力が強い、でもここまで鬱血するのか?




――――痣が、出来やすいってことは、出血しやすいってことだ……。




あまり考えたくないけれど、調べておくに越したことはない。





「――――姉さんの貧血はおそらく食事ができていないことで起きていると思っていたけど――――、それ以外になにか自覚症状はないの?」



「………息苦しい………眠れない。眠るのが、怖い……悪夢を、見るから………。」



「………いつから?」



「――――……ひどくなったのは、エレンを連れ出したあの壁外調査から、帰ってきてから、かな……。」



「――――たくさんの兵士が死んだって聞いた。」



「………うん………。」



「精神科の専門の先生に話を聞いてもらおう?あとは血液検査もしておこう。ちょっと気になる。」



「うん。お願い、ロイ。」





もっと嫌がるかと思ったけれど、姉さんは意外にも素直だった。





「……素直だね。」



「……エルヴィンと約束したの。ウォール・マリア奪還作戦には必ず一緒に行くって。――――今はまだ問題山積だけど、エルヴィンだもん。きっとすぐ解決しちゃう。だから早くこの身体の不調の原因を知って、治したいの。」



「………治したい意志は大事だ。じゃあさっそく手配するよ。」



「………ありがとう、ロイ。」



「――――あともう一つ。あの薬は、使った?」



「――――………。」





姉さんがほんの少し目線を泳がせて、伏せた。





「………うん………。」



「そう。副作用はなかった?」



「………それは、大丈夫………。」



「わかった。――――長旅だったし、もう少し眠って。また様子見に来るから。母さんも夕方には帰ってくる。」



「………わかった……。」





僕は姉さんの部屋を出た。




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