第129章 苦悶③
「――――てめぇがナナにしたことを、俺は赦してねぇ。」
「――――………!」
「………リ、ヴァイ……兵士長……、やめて………ください……!」
血の気が引いた。
ロイもまた同じように、真っ青な顔をして――――、でもリヴァイ兵士長に心底の嫌悪の顔を見せた。何か強い意志を持って、怖いだろうに、リヴァイ兵士長を睨み付けた。
「――――姉さんは、エルヴィンさんのものだ。手を出すなよ。」
「てめぇに言われる筋合いはねぇよ。これは俺とナナとエルヴィンの問題だ。シスコンのクソガキは引っ込んでろ。」
「あんたに姉さんは似合わない。昔のことなんて時間が経てば失われるんだ。」
「――――うるせぇ……。」
「――――ロイ!!!黙って!!!」
今リヴァイ兵士長をこれ以上乱すようなことを言わないで。思わずロイに向かって叫んだ。その瞬間、ぐらり、と視界が揺れた。
「ナナ!!」
「――――姉さん?!」
どうして。
どうして――――、思うように、身体が動かない。目も少ししか開けない。
「――――こういうことだ。お前が診ろ。そのために呼んだ。」
「………言われなくても診るよ……!」