第129章 苦悶③
「――――解き明かして終わらせるのは、私たち調査兵団です。ハンジさん。」
「…………。」
「未知のものに挑み、調査して――――知る。ひとつ知れた。巨人の正体を。だから、次に進みましょう……?」
ハンジさんは私の身体ごとぎゅっと強く抱きしめた。
胸にぎゅ、と顔を押し付けて、ふぅ、と息を吐いて―――――いつもの明るく元気な声で、言った。
「あぁもう―――――抱きたい!!!」
「えっ。」
思わずその言葉に赤面してしまう。
えっ、抱きたいと言った?
意味が理解できなくて、ぐるぐる考えてもわからなくて、聞いてみることにした。
「ハンジさん……。」
「ん?」
「抱きたいというのはそれはその………抱きしめたいという意味なのか、いやでももう抱き締められてはいるし………そうなると性的な意味で……?あの、女性同士でそういった経験がなく……。」
ハンジさんは私の問いに目を丸くした後に、大笑いした。
「あはははっ……!あぁ……ごめんごめん。冗談だから!」
「冗談ですか。」
「――――……あぁ、でもこうしてナナに抱かれるのはいいね。心が、浄化されるみたいだ。」
「――――こんな貧相な身体で良ければ、いくらでも。」
「貧相じゃないでしょ。エルヴィンのおかげで胸も育ったみたいだし。」
ハンジさんは冗談めかして私の胸を指でつついた。
「ひゃっ!」
変な声を出してしまった……。
こんな食堂で……。と熱を持った顔を俯かせていると、ハンジさんが私を抱く腕を解いて、私を見上げた。