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【進撃の巨人】片翼のきみと

第11章 交錯




「兵士長命令だ。エルヴィンには、俺から話を通す。」




「……………いつになったら、私が、どこまで、何の能力を身に付ければ、一緒に行けますか。」




「………さぁな。俺はそもそも、お前を壁の外に出す気はねぇ。」




「なんでっ………!私の、夢は―――――――――。」




「お前を生かすこと、守ることが、俺のいる意味だからだ。お前は、俺達が巨人を皆殺しにしてから自由に羽ばたけばいい。それまでは、ただ………俺の側に、いりゃいい。」





その言葉は、おそらく彼の本心だと思った。

地下街にいたあの頃から私を守ってくれたリヴァイさんにとって、みすみす死なせるような場所に行かせたくないのは理解できる。

でも、そこに私の意志はないのか。

私は、リヴァイさんと共に掴み取る自由に憧れているのに。その力になるために、これまで医学と、立体機動を学んできた。





「―――――私は、リヴァイさんに守ってもらうだけの、お人形じゃないです………!」





こんな事を言いたいわけではなかった。
リヴァイさんが、私をそんな風に扱っていないことなんて、十分すぎるほどわかっていたのに。

でも、自分の意志と反して物事を決められても、従うしかない。そんな環境に甘んじるのは、もう嫌だった。





「いつになったら、あなたの横に並んで―――――必要としてもらえますか………?」





守られるしか能のない子供と、庇護者。
その関係に、私はもう満足できなかった。

一人の人間として、仲間として、女として、対等な立場で、リヴァイさんに必要とされたいという承認欲求が、抑えられないくらいに大きくなっていた。

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